コロケーションとは?利用するメリット・注意点・選ぶポイントを徹底解説

公開日:2025/07/10 最終更新日:2025/08/29
コロケーション

多くの企業は自社内でサーバーを管理していますが、取り扱うシステム・情報の規模が大きい場合にはコロケーションサービスを検討するのがよいでしょう。今回はコロケーションについて、概要や他サービスとの違い、導入メリットのほか、導入にあたっての注意点も解説します。コロケーションの導入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

そもそもコロケーションとは

コロケーションとは、データセンターのサービスのひとつを指します。そもそもデータセンターの利用には複数の方法がありますが、中でもコロケーションはコスト対策やBCPなどの観点からも注目されている方法です。ここでは、コロケーションについて詳しく解説します。

コロケーションの概要

コロケーションは、データセンターのスペースを共有してサーバーを設置することです。もともとは利用方法そのものを指す言葉ですが、さいきんでは複数の利用者が共有しているスペースを指すこともあります

ホスティング・ハウジングとの違い

コロケーションと間違われやすいサービスには、ホスティングやハウジングが挙げられます。ホスティングはウェブサイト運営に必要なサーバー・メール機能に必要なメールサーバーなどのサーバーの機能を提供する方法であり、事業者は自社で運用するサーバーの提供とともに機器のメンテナンスなども実施するのが特徴です。

コロケーションでは機器の運用・メンテナンスは事業者自身で行うのが通常であるため、ホスティングはコロケーションと比較するとサーバーや設定の選択肢は狭まるものの、その分利用者の手間や負担を抑えることが可能です。

また、ハウジングはコロケーションと同義語であり、両者はほとんど同じ意味で使用されています。細かな違いとしては、ハウジングはコロケーションと比較すると利用可能なスペースが小さく、運用に関しても自由度が低くなる点が挙げられます

コロケーションを利用するメリット

コロケーションを利用すると、サーバーを社内ではなくデータセンター内で管理することが可能です。ここでは、コロケーションを利用するメリットについて詳しく解説します。

コストカットにつながる

社内でサーバーを管理する場合、サーバーを設置する場所を確保すること・空調設備などの環境を整えることが求められます。そのため、自社内で取り扱うシステムや情報が増えるとその分サーバーの維持・管理のためのコストも増加するのが難点です。

しかし、コロケーションでは借りたスペースを活用して自由に機器を運用でき、サーバーが増えても管理費などが増加する心配はありません。自社内にスペースを増設する必要もないため、コストを大きく削減できるでしょう

BCP対策に役立つ

コロケーションはBCP対策の観点からも役立ちます。BCPは事業継続計画を指し、災害発生時などの緊急時にも事業を継続できる体制を整えることを目指した対策です。

コロケーションは災害対策として強固な建物を利用するケースがほとんどであるため、地震・火災などの影響を受けにくく、また、停電被害を防止するための対策も取られています。

サーバーを安全かつ継続的に使用できる

コロケーションを利用せずに社内でサーバーを設置する場合、セキュリティ対策にも手間やコストがかかります。

しかし、コロケーションのデータセンターはサイバー攻撃を防ぐためのセキュリティ対策が万全となっており、さらに厳しい入退室管理が実施されていることから、サーバーを安全かつ継続的に使用することが可能です。

コロケーションに関する注意点

コロケーションの利用には、初期費用やランニングコストがかかります。社内で取り扱うシステムや情報量が多ければメリットを感じやすいですが、利用規模や目的によってはかえって費用が高くなってしまうケースもあるでしょう。

コロケーションよりも費用を抑えやすいホスティング・ハウジングが適している場合もあるため、慎重な判断が求められます。さらに、コロケーションの導入後に使用している機器のトラブルが発生した場合、自社スタッフがコロケーション施設に出向いて作業しなければならない可能性もあるため、注意が必要です。

ただし、万が一の場合に自社スタッフが訪れやすい場所にあるコロケーションサービスを選択することは、地震などの災害時のBCP対策という観点ではデメリットにもなり得ます。立地選びの際は、多角的な視点からの慎重な判断が求められるでしょう。

コロケーションを利用する際の注意点

コロケーションの利用にはいくつかの注意点があります。導入前に以下の点をしっかりと把握し、自社にとって本当に必要なサービスかどうかを判断しましょう。

コスト面での注意が必要

コロケーションサービスを利用する際には、まずコスト面での注意が必要です。データセンターに自社の機器を設置して運用する形になるため、初期の導入費用だけでなく、毎月のランニングコストもかかってきます。

たとえば、ラックの使用料や電力使用料、回線利用料などが発生するため、思っていた以上に費用がかさむことも少なくありません。

特に、24時間365日稼働させるような環境が必要な場合には、電力使用量も多くなり、その分費用も増えることになります。

導入前には、利用目的に対してコロケーションが本当に適しているのか、慎重に検討することが大切です。

トラブル時の対応に時間がかかる

コロケーションを利用する上で見落としがちなのが、トラブル発生時の対応のしやすさです。

たとえば、サーバー機器に障害が発生した場合、社内に設置している場合であればすぐに確認・修理ができますが、コロケーション施設に設置している場合は、現地へ出向かなければなりません。

施設が遠方にある場合、担当者が現地に到着するまでに時間がかかり、トラブルの原因特定や復旧作業が遅れてしまう可能性があります。

そのため、コロケーションを利用する場合は、緊急時にどれくらいのスピードで対応できるかを事前に想定しておく必要があります。

また、現地での作業が頻繁に発生しそうな場合には、出張対応の体制や外部業者への委託なども含めた運用計画を立てておくことが重要です。

建物の安全性も確認を

データセンターを選ぶ際には、設備や通信環境だけでなく、建物そのものの安全性にも目を向ける必要があります。

自社の大切なデータを預ける場所ですので、防犯対策がしっかりしているか、建物が災害に強い構造でできているかを確認しておくことが大切です。

たとえば、地震の多い地域では、耐震構造や免震構造が採用されているかどうかは非常に重要なポイントです。建物が倒壊しなくても、内部の設備が損傷してしまえば、サービスの提供に大きな支障が出てしまいます。

また、セキュリティ面でも、入退室管理が厳重に行われているか、防犯カメラが設置されているかなど、安心して機器を預けられる体制が整っているかを確認しておくべきです。

表面だけではなく、運営会社の管理体制や対応の実績も含めて、信頼できる施設を選ぶようにしましょう。

設備の品質が事業に直結する

最後に、データセンターの設備自体の品質にも注意が必要です。コロケーションを選ぶ理由のひとつには「安定した運用環境」がありますが、その実現には設備のレベルが大きく関わってきます。

たとえば、通信環境が不安定で遅延が発生するようでは、ビジネスに大きな支障をきたしてしまうでしょう。

また、停電時の備えとしてUPS(無停電電源装置)や非常用発電機がどの程度整備されているかも重要なチェックポイントです。万が一の災害やトラブル時にも、サービスを継続できるような仕組みが整っているかを確認しておきましょう。

予期せぬトラブルに備えるためにも、コストだけでなく、設備の品質や対応力までしっかり見極めたうえでの導入が大切です。

コロケーションサービスを選ぶ時のポイント

ここでは、コロケーションサービスを選ぶ時のポイントをご紹介します。自社に合った環境を選ぶために、確認すべきポイントを順に見ていきましょう。

アクセスしやすい立地か

コロケーションを選ぶうえで、立地はとても重要です。機器はリモートで操作できる場合が多いですが、トラブルが発生したときには、現地での作業が必要になることもあります。

そのため、復旧を急ぐ場面では、担当者がすぐに現地へ行けるかどうかが重要です。会社からアクセスしやすい場所を選ぶと安心でしょう。

一方で、地震や台風などの災害時には、自社とは別の地域にあるデータセンターの方が、被害を分散できるというメリットもあります。

このように、近さと災害対策の両方を考えたうえで、自社にとってバランスの取れた立地を選ぶことが必要です。

料金体系を確認する

料金面もサービス選びでは重要です。コロケーションの費用は、ラックのサイズ・設備内容・回線・立地条件などによって変動します。たとえば、都心部の施設は利便性が高い分、料金も高めに設定されていることが多いです。

また、オプションで機器の保守や運用支援が含まれるかどうかでも価格に差が出ます。

ここで注意したいのは、月額の利用料だけでなく、契約時に発生する初期費用、最低利用期間、解約時の違約金などの条件です。

プランによっては途中で構成を変更できなかったり、短期間での解約に高額なペナルティが発生したりすることもあるため、契約内容をしっかり確認しておく必要があります。

セキュリティ対策があるか

コロケーションは、自社の大切なデータを外部の施設に預ける形になります。そのため、物理的なセキュリティとネットワークセキュリティの両面で、信頼できる施設を選ぶことが求められます。

まず、施設の入退館管理が厳格に行われているかが重要です。ICカードや生体認証などによる入館制限の有無、監視カメラの設置状況、24時間体制での常駐監視の有無などをチェックしましょう。

これにより、不審者の侵入や内部不正のリスクを下げることができます。

また、外部からのサイバー攻撃を防ぐために、ネットワーク上の通信が暗号化されているか、ファイアウォールや監視ツールが導入されているかなども確認が必要です。

通信速度や品質は十分か

サーバーを設置する以上、安定した通信環境が必要不可欠です。

コロケーション施設がどのような回線を用意しているか、帯域は十分に確保されているか、アクセスが集中しても遅延や切断が起きにくい環境かどうかを見ておきましょう。

また、特定の通信事業者にしか対応していない施設もあります。自社で使いたいネットワーク回線を自由に選べるかどうか、キャリアの制限がないかも確認しましょう。

インターネットへの出口帯域の広さ、回線の冗長化(バックアップ経路の有無)などもポイントになります。

電源容量に注意する

AI処理や映像解析などで高性能なサーバーを使用する企業が増えたことで、電力消費量の多い機器を扱う機会も増えています。こうした場合、ラック1台あたりの電源容量が十分でないと、機器を設置できない問題が生じます。

「スペースには余裕があるが、電力が足りない」といったケースは実際にあります。特にGPUサーバーなど電力負荷が高い機器を使う場合は、電源容量の上限や回路構成、電源の冗長性(バックアップ電源の仕組み)などを詳しく確認しておきましょう。

空きスペースの確認を

将来的に機器の増設を検討している場合、空きスペースの有無も重要なチェックポイントです。

最初の契約時には問題がなくても、いざ追加しようと思ったときに空きがないと、別のラックを新たに契約することになり、コストや管理の手間が増えることになります。

また、機器同士が密集しすぎていると、冷却効率が下がりやすく、内部の温度上昇によって機器の寿命を縮める原因にもなります。

ラック単位での冷却設計やエアフローも含め、スペースに余裕を持った環境が望ましいです。

停電時の対策があるか

データセンターでは、停電時でも電力供給を保つための設備が整えられていることが多いですが、その内容は施設によって異なります。

UPS(無停電電源装置)が導入されているか、非常用発電機の稼働時間はどれくらいかなどを確認しましょう。

とくに、重要なシステムを稼働させている場合、停電が数時間続いても動き続けるような仕組みが必要です。UPSの冗長化(複数台によるバックアップ)や、長時間の電力供給が可能な設備があるかも見ておくと安心でしょう。

サポート内容を確認する

運用中に、機器の再起動やメンテナンス対応が必要になることは少なくありません。毎回、担当者が現地に行くのは非効率で、人的リソースの負担にもなります。

そこで、現地スタッフによる作業代行サービスがあるかどうかを確認することが大切です。単なる再起動だけでなく、ケーブルの抜き差しやスイッチの切り替えなど、軽微な作業を代行してくれるサービスもあります。

また、対応時間(24時間365日対応可能か)や、緊急対応のスピード、連絡手段の確保なども含めて、運用時にストレスのない体制が整っているかを見ておくと安心です。

まとめ

今回は、コロケーションの概要や導入メリットに加え、コロケーションについての注意点なども詳しく解説しました。コロケーションはデータセンターの利用方法の一種であり、データセンターのスペースを共有してサーバーを設置することです。

自社内でのサーバー設置場所の確保や空調などの環境整備が不要であり、さらにサーバー数が増加しても変わらずスペースを利用できることから、コスト面でのメリットが非常に大きいのが魅力です。また、災害・停電時にも影響を受けにくく、BCP対策の観点からも注目されています。

一方で、初期費用やランニングコストがかさむケースや、トラブル時に現地対応が必要になるなどの課題もあります。そのため、コロケーションに加えて、コストを抑えつつ性能を確保できるリファービッシュ製品を活用することも、選択肢として検討する価値があります。目的や予算に応じて、柔軟に導入方法を見極めることが重要です。

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